☆ リサイズして再版いたします。 ☆
 周囲を海に囲まれた瀬戸内の小島に設立された全寮制女学院の理事長が ある日依頼に訪れる。
「カゴメ カゴメ」の唄が聞こえてくるんです・・・・原因不明の小火が続き、体調を崩し精神を病んだ生徒が辞めていく。 原因を突き止めて欲しいと、SPRに依頼が入った。
 そこは、牢獄のようなイメージを与える島。『女』の嘆きが潜む地。
 死角がないほど設置された防犯カメラはなんのためか。なぜ、麻衣と綾子は変調を訴えてくるのに、真砂子一人何も影響を受けないのか。
 荒海の中落ちた麻衣を、躊躇せず助けに飛び込んだナルを見て、真砂子は不安に思う。
 ナルと麻衣の関係に変化が訪れているのではないかと。
 上司と部下でしかないはずの二人。
 それ以上でも以下でもないはず。

 だが、真砂子はどうしても考えずにはいられなかった・・・・・・・
 自分が落ちてもナルは、身の危険を顧みず飛び込んだりはしないということを。


「誰のものにもならないと思っていたのに・・・・・・・・・・」



 真砂子のつぶやきは、誰の耳にも届かず、己の中に沈んでゆく・・・・





2003年3月30日春コミ発行(次回イベント参加時書き直して再販する予定)「不断桜」に続く長編になります。
 (不和の種は完結済みです)