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第三段(笑)・・・今回は台詞ばっかし(爆) 「麻衣、こんな話聞いたことがある?」 本日は、SPRご一行様はオフィスでちょっと早い納涼会である。というのも、ナルはこのあまりにも蒸し暑い夏を日本で過ごす気がないらしく、八月はまるまるイギリスに帰国することがつい先日決まったのだ。そして、その一月は大学も休みになっているということで、麻衣も便乗することに決まっている。一応リンが留守を守り、調査があれば帰国・・・という形だろうが、相変わらずの閑古鳥であり9月まで事実上閉鎖といっていいだろう。 さて、そんな事情でお祭り好きの彼らは、お盆の最終日に納涼会を行ったのだった。 場所はもちろん、SPRのオフィスで。 ついでに、麻衣がお迎えしたご先祖様を送るために玄関口で送り火を〆にたいているのだ。 「実は、閻魔様もこのお盆の間は実家に帰っている話」 「なにそれ」 綾子はつい先日祖母に聞いたという話を、麻衣にする。 「お盆って言えば帰郷じゃない?で、普段は昼も番も無く忙しく働いている閻魔様も、この時ばかりは休みをもぎ取って帰郷しているって言うのよ。 で、その閻魔様が帰ってくるのが16日。だから、それまでにご先祖の霊を送り返そうということで、15日にこうして送り火をたくんだって」 「なんで、閻魔様より先に送り返そうというの? もしかして、これって鬼のいぬまに・・・・って言うやつだったの?」 麻衣が不思議そうに言うと、綾子が呆れたように溜息をつく。 「違うわよ。一体どこの世に偉い人より遅く帰ってくるやつがいるのよ」 「・・・・なーるほど。あの世もこの世も変わらないんだねぇ・・・」 送り火を見つめながらしみじみと呟く麻衣に、綾子もまったくよねぇ・・・と同意する。 「あの世でもお金しだいって言うぐらいだし、やっぱり金持ちのいい男をゲットしなきゃ!」 「そういい続けて一体何年経つの?」 相変わらずの綾子に、今度は麻衣が呆れた視線を向ける。 「煩いわね。すでにいい男をゲット済みのあんたにはわからん苦労でしょうよ」 「でも、別の苦労はあるもん」 「好き好んでしょいこんでいるんでしょ」 「まぁねぇ・・・・」 テヘテヘと笑いながら告げる麻衣に、綾子は自分も早く好き好んで苦労を買いたいと思えるような男が見つかりますように、と思わずこれからあの世に帰ろうとするご先祖様に、祈らずはいられなかった。 |
☆☆☆ 天華の戯言 ☆☆☆
2002年のお盆(新盆の七月です)に日記にてUPした小話でしたー。
我が家および、親戚は新盆をお盆として迎えるせいか、私はてっきり新盆である七月に迎え火をたく物と思いこんでいたという・・・・・
だけど、この話をUPした時皆さん七月ではなく八月に迎えると聞いて・・・・実は、カルチャーショック(笑)
考えてみなくても、八月のお休みを盆休みというぐらいなのにねぇ・・・・・別物と考えていたオオバカ者でございました(笑)
ちなみに、今年も我が家では七月に迎え火を焚いておりますです。