ねんねんころりよ おころりよ
ぼぅやは よい子だな ねんねんねしな
ねんねのお守りは どこへ行った
あの山こえて 里へいた
里のみやげに 何もろた
でんでんだいこに しょうの笛




























優しい子守歌

























 イギリスに居を移して漸く一ヶ月が過ぎようとしていた。
 生活に慣れた?
 と聞かれると返答に困ってしまうほどの日数しか立っていない。
 極東と形容される島国の日本から、ヨーロッパの島国であるイギリスへ来て1ヶ月で慣れるほど順応性が強いとは思わないが、慌ただしさの中寂しいと思うことはとりあえずまだなかった。
 イギリスと日本。生活環境が何もかも違う。
 宗教色の色濃く残っている国と、宗教って何?と言いかねない国。
 気温が違えば湿度も違い、食生活も違えば生活習慣の何もかも違う国に来て、そうそう簡単に慣れる者などいるはずがない。
 せめてもの救いは、日常的な会話には困らないだけの英語力を日本にいる間に身に付くことが出来たおかげで、現地の人間とのコミュニケーションには困らないという点だろうか。
 言葉が通じる、通じないの差は大きいと思うのだ。
 それによって受けるストレスがどれほどのものになるのか、麻衣には判らないが、確かに日常会話が英語になったことでストレスは感じていると自分でも思うのだ。
 ナルと二人きりで交わされる会話は日本語だが、なんと落ち着くことか。
 お金がかかるため国際電話はそうそう仕えないせいか、ナルとの会話だけでは物足りなく、自分が日本語に飢えている・・・そう思い始めてきたのは最近のことである。
 日本語がものすごく恋しくなった時には、まどかに相手をして貰ったりしているので、まだ飢餓状態には陥ってはいないが・・・・
「まどかさんが言っていたとおり、日本人のあつまる何かに出入りでもしようかなー」
 日本人を対象とした英会話教室の講師の中には、英語が堪能な日本人もいれば、日本人のよく出入りしているお店などもあるという。まだ、そう言ったところに出入りできるほど、身の回りが落ち着いていないので考えていなかったが、落ち着き始めてきたら検討するのもいいかもしれない。
 つらつらとそう思いながら、麻衣は何気なく病院からの帰路についていたのだがふと足を止める。
 この辺りは治安が良く、日本人が昼間歩いていても特に問題のない地域だ。どちらかと言えば裕福な家庭が多く住んでいる居住区であり、前庭が広く取られ何処の家も明るい雰囲気を醸し出している一軒家が多い。
 麻衣がナルと住んでいるアパルトマンはもう少し先の区画にあり、古い建物ながらも居心地の良い物件だ。ナルの養父母の家とも近く、お互い頻繁に行き来できる距離に、ナルは新居を用意していた。
 至って閑静な住宅街であり、都会に有りがちな喧噪と言った類のものから離れた場所は、居住空間としては申し分もなく、またどこかおとぎ話の国のような雰囲気に溢れている空間から、なんとも表現しにくい違和感を感じて麻衣は足を止めたのだ。
 別に何がどうおかしいのか聞かれると戸惑ってしまうのだが、そう・・・・ふと、「あ、懐かしいなぁ」と思ってしまったのだ。
 いったい自分は何を懐かしいと思ったのだろう?
 首をかしげる。
 イギリスに懐かしさを感じるものが自分に在るとは思えない。
 居住地を日本からイギリスに移す前にも、何度か来たことはある。
 それは、ナルの仕事に便乗する形であったり、ナルの養父母からのお招きであったり・・・年に1回から2回ぐらいの割合で、ここ数年間の間に何度か足を伸ばしてきた国だ。空港にたどり着き街にたどり着けば、久しぶりだなぁと思うことはあっても・・・懐かしむほどではない。
 ではいったなにが原因なのだろうか?
 辺りに視線をもう一度巡らせる。
 今となっては特筆する事など何もない、普通の住宅街。
 だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・360度視線を巡らせていた視線が、一点で止まる。
 前庭が大きく取られた家。イギリスは一般的にガーデニングが盛んと言われるだけあって、どの家も前庭を大きく取った作りの家が多く、色とりどりの花が植えられ、草木がシンメトリー・・・左右対照的に植えられ刈られている。これぞ、典型的な造形美!といわんばかりの作りが多い中、その家の庭は少々・・・・・・・・いや、かなり荒れている感じがする。
 芝生は伸び長さがバラバラで、無造作に庭を埋め尽くしているような状態であり、シンメトリーに植えられている草木も、ざんばらといった感じが拭いきれない。人が住んでいるようには思えないこの家になぜ、気が引かれたのだろう。
 お昼を過ごし過ぎたばかりのこの時間帯では、よほど日当たりの悪い家でもない限り、室内の電気が使われることはない。そのためか、ぱっと見にはますます人が住んでいるような感じには見えず、レースのカーテンがきっちりと窓を閉めているため、人の姿がかいま見えることもない。
 総じて一見しただけでは、この家に人が住んでいるとも思えず気のせいかと思い、身を翻したのだが直ぐにばっと振り返る。
 背中を向けた瞬間、微かな風にのって呟かれる声が聞こえた。
 ・・・・・・・・・・・・・・気がしたのだ。
 微かな呟きに似た声は、酷く馴染み深い言葉。
 この地で耳にする機会が在るとは思わなかった唄。
 日本語で呟かれている唄だった。


「今の・・・・・・・・・・・・・・・・」


 麻衣はその場に立ち尽くしたまま眉を潜める。
 別にここが日本ではないからと言って、日本語を耳にする機会が皆無ではないことぐらい麻衣もわかっている。日本人はどこにでも見かけると言われるだけ会って、イギリスでも旅行者、在住者問わず見かけたし、旅行者には救いを求めるかのように声をかけられたことも何度かある。
 まして、この辺は治安の落ち着いた場所であるため、日本人が住居を求めてもなんらおかしくはない。
 視界に入るこの区画は確かに一戸建てが多いが、通りをもう少し進めば一戸建てからアパルトマンの方が増えるため、一人暮らしの人間も大勢居るのだ。その中に、日本人が居たとしても何ら不思議ではない。
 少し自分の生活するアパルトマンから離れているとは言え、この近辺なら充分ご近所である。もしも、日本人が住んでいるならば是非ともお友達になりたい・・・・そう思わなくもないのだが、そう言ったものとは違う妙な感覚が気になり、麻衣はじっとその家を凝視していた。
 すると、まるでその視線を感じ取ったかのように、家の正面中央にある玄関の扉がゆっくりと開いた。
 一瞬日本人がそこから姿を現すと思ったのだが、麻衣の期待はあっけなく潰える。
 そこから姿を現したのは三十代半ばぐらいの、白人の青年である。
「何か用ですか?」
 家の中からじっと見ていたことを見られていたのかも知れない。青年は玄関から姿を見せるなり、門前で佇んでいる麻衣にそう声をかけた。
「えっと・・・いや、用事があるってワケじゃないんですけど・・・・・・・・・・」
 まさか、実際に人が家の中から出てきて声をかけられるような自体になるとは思ってもいなかったため、麻衣はしどろもどろとなってしまう。無意味に視線を辺りに彷徨わせるが、救いがすっとさしのべられるわけがない。
「あのぉ・・・・不躾なことを伺うんですけれど、こちらに日本人の方がお住まい・・・・・・・・でしょうか?」
 麻衣の恐る恐るといった問いかけに青年は軽く眉を潜める。
「日本人?」
「・・・・・・・・・・あ、いや、もしかしたら気のせいかもしれないんですけど、ちょっと懐かしい唄がこちらから聞こえてきた気がしたんで、もしかして日本にゆかりの方がお住まいなのかなーって。
 あ、私日本人で最近イギリスに来たばかり何で、もしも日本ゆかりの方がお住まいならお知り合いになりたいな・・・・・」
 アハハハハハと誤魔化すような乾いた笑い声がむなしく辺りに響く。
 どうやら、思いっきり外したようだ。
 相手の怪訝そうな表情からそれだけを悟と、麻衣は一気に身を翻してその場から逃げ去りたい衝動に駆られる。
「宜しければ、お話を伺っても宜しいですか?」
 怪訝そうな表情を浮かべていた青年は、ふっと笑みを浮かべると麻衣の顔を覗き込む。
 青年の瞳は色素の薄い水色のせいか、感情が伺えず酷く冷たい表情に見えた。何となく麻衣はあまり仲良くしたくないなーと思いつつも、家をじっと見ていた非礼は自分にあるのだから、否とは言えず困ったような笑みのまま頷き返す。
 あの日本語の唄が気になっていたというのが正直なところだが。














                       ※     ※     ※     ※    ※













 ナルは苛立っていた。
 イギリスに戻ってきて一ヶ月経った頃になって、漸く本格的な調査である。
 本来ならばイギリスに戻ってきた以上フィールドグループではなく、理論グループに席を戻し集まられてくるデーターを検討することに専念しても良いのだが、この一ヶ月間本部に集まってきている資料を目に通しても、気を引くようなデーターが集まっている形跡はなかった。
 過去数年分のデーターを検討してみればよく判ることなのだが、日本は心霊的な現象の宝庫とも行って良いのだろうか。仕えそうなデーターは日本で自分が取ってきたデーターばかりである。
 ナルは今しばらくフィールドから離れる気には結局なれず、イギリスに戻ってきてからも、現場に出てデーターを集める事を望みそれが、漸く叶ったのだが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 本国の調査チームはこれほどまで仕えない人物だったか?と苛立つばかりである。
 ナルがチームリーダとなり新たに編集したチームは殆どがイギリス人である。
 リンが未だに日本にいるため、メンバー全員が初顔合わせといってもいい。
 むろん初顔合わせとは言え、同じ研究所に籍を置いている者同士である。どこかで顔を合わせたり言葉を交わしているため全くの初対面というわけではないのだが、ナルの求めるに足りるレベルに到達している人間は誰一人いなかった。
 むろん、日本で組んでいたメンバーがナルの要求するレベルに到達していたかと問えば、100パーセントクリアーしているのは、今は亡き双子の兄であるユージンぐらいであろう。だが、日本にいた数年間共にチームを組んだ人間は己のレベルを理解し、互いが互いにフォローをしあうようなメンバー達であった。
 むろん、意見の対立というものもあれば、プロとしてのプライドというものもあり、すんなりと信頼が築けたわけではない。だが、無意味な見栄のようなもので意地をはりとおし、仲間を窮地に陥れるような愚か者だけはないかった。
 実際に互いの実力が理解できる頃には、譲り合うところや、信用し合うところが見え的、バランスの取れたチームであっただろう。
 だが、今回イギリスで割り当てられたメンバーにそれを求めるのは、酷なのであろうか?
 むろん、この焦燥感は初めて日本に赴いた時にも感じたものだ。
 今まで、意思の疎通を無理なく出来た、霊媒師として最も優秀なユージンと組んできたため、ただの霊能者では歯がゆかった。彼ならば直ぐにたどり着けた答えになかなかたどり着けず、無駄とも思えるような時間を幾ばくか要したのだから。
 だが、ないものを強請るのは愚か者であり、出来る限りのことをして調査を進めてきたのだが・・・・・・・・・・・今回はあの時よりも問題にならないぐらい粗末に思えるのは、気のせいなのだろうか。
 ナルは知らず内にため息をつく。
 メカニックはまだいい。
 それ専門の知識を充分に見つけているため、機械関係について困ることはない。だが、問題はそれ以外の人間だ。今までいったい何を学んできたのかと言いたい。
 調査員の一人が集めてきたこの地や家、過去に住んでいた住人にまつわる詳細な背景図はずさんなものであり、裏付ける証拠がない。結果的に言えば憶測の域を出ない者ばかりであり、なんら論理を証明する確固たる裏付けにはならない。
 安原ならば、こちらの一つの掲示に10も20も調べ上げ、内心舌を巻くこともあったぐらいだ。
 霊能者二人もそうである。互いが互いにけんせいしあい、言うことなす事がその都度変わり、言葉に信憑性がまったくない。一時間ほど前に否定したことを肯定したかと思えば、すぐに否定する。
 見えないなら見えない。判らないなら判らないとはっきり言ってくれれば良い物の、誤魔化そうとする。
 むろん、そんな見え見えのことに惑わされる自分ではないが、苛立ちを感じないわけではない。
 イギリスに戻ってきたのは早計だったか・・・・・・・と思ってしまったとしても仕方ない。
 彼らはいかにこの世界で有能な「オリヴァー・ディヴィス博士」の目にとまり、エリートとしてこの学会で名を馳せるか・・・己の実力を認めさせるかで躍起になっており、肝心のものが足りていないのだ。


 違いは、現実の能力云々だけではなく、物の考え方・・・仕事に対する姿勢の差だな。


 ナルは、彼らと日本のメンバーとの差を冷然とそう位置づける。
 目の前の彼らは「オリヴァー・ディヴィス」という名に目がくらみ、現実の把握が出来なくなっている。幾人もの中から選ばれたという選民意識が先立ち、妙なプライドだけが専攻しているのだ。
 だが、日本の彼らはナルがあの「オリヴァー・デイビス」だと知っても、その態度は変わらなかった。
 それが実力というものを分けるとは思えないのだが、他人の力で世に認めて貰おうとする者に実力を期待できるわけがない。
 使い物にならない調査員の集めてきたデーターを読む気にもなれず、ナルはベースと化しているリビングを出る。
 今回ナル達SPRが調査に訪れた場所は、ナルの自宅からほんの少し離れた住宅街の一軒家だった。半年ほど前まで人が住んでいたのだが、すでに部屋の隅々には埃が溜まり、庭は荒れ果て、人の温もりという者は潰えていた。
 ナルが調べた範囲では、ここ10年ほどの間に4家族がこの家に転居してきては出て行ってしまい、半年前に5人家族の一家が出て行ってから買い手がいないまま放置されていた。
 これが、まだ賃貸のアパルトマンなら別段意識を向ける者は居なかっただろう。アパルトマンには長期の居を構える者もいれば、一時的な居にする者もいるため、出入りが多かろうとも少なかろうとも不自然はない。だが、一軒家とも成れば話は変わる。長の居とするために購入したが、長くて3年・・・短いと1年あまりで出て行ってしまうのだ。妙な噂は次第と周辺近所に広がった。
 過去、この場所で事件があったことを示すものは未だ発見されていない。地域ぐるみで隠されているようすもなく、新聞沙汰になった形跡もない。不審な死者が出たという報告も今のところは言っておらず、ナニかがおきそうなことに心当たりはないというのが周辺近所の言だ。
 だが、この場所に入居した者達はかならず、不可解な現象に悩まされている。
 その際の共通点は「妊婦」だ。
 妊婦となった夫人が異常を訴え始める。
 何かの声が聞こえる。唄のような旋律のようにも聞こえるが、何を言っているのか全く判らない。
 害があるわけではない。
 ただ、四六時中聞こえるため、夫人がノイローゼになってしまうのだ。
 初めの一人目は二年目に妊娠。ノイローゼが原因で流産を起こしてしまい、退院後この家を離れた。
 二人目はこの家に入居して三年目に懐妊。その一ヶ月後逃げるようにここを出た。やはり唄のような者が聞こえ一人の女がこの家の中を徘徊しているのが気味悪く、この家を出たという。
 三人目は入居時すでに出産を終えていたため、正確なところ妊婦ではないが生まれたばかりの赤ん坊と共にこの家に入ったのだが、耳に付くナゾの声。それから、赤ん坊の付近で見かけるうすぼやけた影。初めはやっと手に入れたマイ・ホームを手放す気にはなれず、祈祷しにお願いをしたり、教会に救いを求めたのだが、何の効果も得ず、やがて赤ん坊はインフルエンザにかかりあっけなく他界。その直後、母親は後追い自殺をし、残された夫はこの家を売り払った。購入して二年と半年のことである。
 最後に入居した者は五人家族で、子供達も10代後半にかかり、夫人も妊娠するような年回りではなかったが、やはり唄と影はつきまとった。
 家族の前ではなく、家族が可愛がっていた猫の前にだ。
 初めは誰も気が付くことはなかったのだが、猫がどうしても落ち着かない。何かに怯えているように見えたのだが、出産を間近に控えて神経が高ぶっているのだろう・・・すでに、数度猫の出産経験のあった家族達は誰もがそう思っていた。
 妊娠している者は誰もいないのだから、声を唄と認識できる者も、影を認識できる者も居なかった。だが、猫は確実に神経をとがらせながら出産を迎えたのだが、なんと自分の生んだ子供をかみ殺していってしまったのだ。
 異常な光景に家族の誰もが言葉をなくした。
 こんな事をするような猫ではなかったのだ。その後も明らかに常軌を逸しているかのように、小さな子供がそばに来ると気が触れたように暴れた。まるで、何かから逃げるかのように。
 それから一年後この一家は夫の海外勤務をきっかけに引っ越しをしている。特別家族内に何が起きたというわけではないが、前例が前例であり、猫の異常な行動も過去三人と同じ理由に違いないと、近所の噂好きの主婦達はまことしやかに噂していた。
 キーワードをみれば確かに「妊婦」が鍵になっているのは判るが、だがなぜ「妊婦」がキーワードに成るのかが不明だ。調査員の中には簡単に一番最初に流産を起こした女性が生き霊とかしてこの家を呪って居るのだとか、第二次世界大戦の時この一体には病院があって・・・・だの、議論するにも値しないことを至極当たり前の如くナルに訴えてくる。
 第二次世界大戦前は論外としても、一番最初に流産した女性も純粋な犠牲者で、原因だとは考えられない。
 一人目の時から「唄」と「影」を主張しているのだ。もしも彼女が原因ならば、そんなことを言うわけはないだろう。
 影は霊もしくは、相当する者の姿や存在として「唄」とはいかなる者なのか。
 あいにくとこの場には優れた霊能者も居なければ、妊婦も居ないためどんな唄なのかが判明しない。
 ため息をつき軽く瞼を閉じた時浮かんだのは妻である麻衣の姿であったが、彼女をここに呼ぶことは出来る問題ではなかった・・・てっとりばやく解決するための道とは言え、安全が確実ではない場所に今の麻衣を呼ぶことは出来ない。
 とにかく、何が原因でそのような現象が起きるのかを突き止めねばならないのだ、役にも立たない調査員を当てにするのは止めにし、自ら動こうと立ち上がった時、表からなにやら人の会話が聞こえナルは視線を庭へと向ける。
 そこに、見知った姿を見つけナルの表情がいっそう険しい物になった。




















 ジャック・ウェストと名乗った男に麻衣は思わず日本名で名前を告げる。
 まだ、マイ・ディビスとはすんない口を出てはくれなかった。訂正するのも面倒くさかったので谷山姓で通してしまったのだ。
 何の調査をしているとははっきりとは告げなかったが、ウェストはこの家の実地調査をしていると告げ、色々なデーターを取っているのだが、麻衣が聞こえたという声にも興味を持ったため是非とも教えて欲しいと切実なめで訴えてき、麻衣は対応に困り果てていた。
 話を聞いている限り、まるで日本でのSPRの調査に似ていたが、まさかこんな近所の何の変哲もない一軒家で調査を行っているとは思いにくい。
 確かに今ナルは調査に出ているが、何処と言っては居なかった。自宅からほど近い場所ならば何かしらの事は言っているはずだから、違うだろう。
 おそらく不動産関係の調査だろうか?
 麻衣は勝手に想像を巡らせる。
 どうやら、売り家らしいのだが人の買い手が付いていないようだ。何が原因で売れないのかを調べているのかもしれない・・・・・
 イギリスの土地価格がどんなものなのか麻衣には判らないが、前庭付き一軒家が安い買い物にはならないことぐらい、国や文化が違っても想像できる。
 むろんこれが、隣家まで何キロも離れて、一番近い街までの距離が何十キロと離れた辺境ならともかく、瀟洒な住宅地なら話は変わるはずだろう。
 だが、しかしここで問題が出てくる。
 この家が売り家なら、自分が聞いた声はここの家から聞こえた物ではないはずだ。
 万が一聞こえたとしたならば・・・・・・・・・・・・・それは、住んでいる『人』ではなくなってしまう。
「話をじっくりと伺いたいのですが、立ち話もなんです中に入ってお話を伺っても宜しいですか?」
 人の良さそうな笑顔に麻衣はなんと答えるべきか逡巡してしまう。ここは日本ではないのだから、迂闊に人を信用してはいけないとルエラやマーティン、まどかに重々言われているのだ。いい人に見えて実は強盗ということも考えられるのだから、他人には十分に注意するようにと。
 一見目の前の男も善良そうな人間に見えるからこそ、なんと返答すべきか迷っていると再びドアが開いた。
 ウェストはドアに背中を向けていたため気が付かなかったが、視界に入っていた麻衣はそこから表れた姿に口と目をまん丸にしてしまう。
 ドアに背中を向けていたためナルの存在には気が付かなくても、麻衣の表情の変化には気が付く。
 そして、彼女がそこまで驚くと言うことは誰が出てきたかは、容易に想像がついた。
「博士、こちらの女性が実は・・・・・・・・・・・・・・」
 ウェストが言葉を紡ぐ前に、麻衣の大きな声が辺りに響く。
「ナル!? なんでここにナルがいるの!?」
 博士の愛称を当間のように口にする麻衣に驚き、ウェストは途中で言葉をとぎらせる。そんなウェストに気が付かず敷地内に足を踏み入れかけた麻衣を、ナルは鋭い声で制止した。
「入るな!」
 いつになく鋭い声に、麻衣は思わず身をすくめてしまう。
 ナルとの言い合いはしょっちゅうするが、身を竦むほどの鋭さはよほどのことがない限りない。
 大股に門まで近づいてきたナルは、麻衣に視線を向けるより先にウェストに冷然とした視線を向ける。その視線を受けビクビクした様子のウェストはそれでも、無理矢理笑みを浮かべて麻衣とナルを見比べる。
「博士の・・・お知り合いですか?」
「僕の妻だが、君には関係のないことだろう」
 それは確かにナルが誰を伴侶に選ぼうとウェストには関係ないことだ。
「だが、君は何も知らない一般人をこの家に招こうとしていたな」
 その証とばかりに戸惑っていた麻衣の腕を掴んで、中に入ろうとしていた。
「彼女がいったいどんな身なのかは、一見しただけでも判るものと僕は思うんだが、君には判らないか?」
 怒気を感じさせない淡々とした声音だからこそ、ウェストは言葉をなくしていた。
 まだ、頭ごなしに怒鳴られた方がましだっただろう。
 反論を赦さない声音に、ただ身をすくめている。
「君は調査員としての立場を理解できていないようだ。
 安全性を認識できない人間は、君一人ではなく全員の身を危険にさらすことになる。そんなことも理解できないようならば、この場にいる資格はないと僕は思うんだが?」
 問いかける形だが、この場から出て行けと言わんばかりの口調に、さすがの麻衣も黙っていられずナルの名を呼ぶが、今度は逆に矛先は麻衣へと向いてしまう。
「麻衣、僕は見知らぬ人間には気を付けろと言い含めていたつもりだったが、お前には理解できないのか」
「気・・・はつけていたんだけど・・・・懐かしい唄が聞こえたから、ついつい足止めちゃって・・・・
 そーしたら、この人が声かけてきたんだもん・・・・・・・・・・・・・・・・」
 不可抗力だい。
 と顔にでかでかと文字を刻み込んで、麻衣は大きく頬を膨らませる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・なに? 私なんか変なこと言った?」
 麻衣が「唄」といった瞬間、ナルの眉間に深く皺が寄る。
「今も聞こえるのか?」
「聞こえるよ。すっごく小さな声なんだけど・・・・・・・・やっぱり、この家から聞こえるんだよなー・・・って、ナルもしかして・・・・・・・・・・・」
 無人の家にナルが居るという時点で答えなど聞かなくても判るのだが、念のため麻衣は確認する。
 ナルもここまで来て黙っているつもりはないのだろう。渋々ながらも口を開いた。
「どうやら、妊婦・・・だけではないが、妊婦および出産直後の女性だけに作用するようだ。
 特別害があるわけではないが、偶然とは思いにくい・・・何が原因で特定の人物に作用するか判らないんだ。
 早く家に戻っていろ」
 ナルが今回の調査が近所にもかかわらず、麻衣に何も説明しなかったのは麻衣が現在妊娠5ヶ月目にあるからだろう。何が原因で妊婦もしくは、出産を終えたばかりの女性に作用するのか判らないのだから、万が一のことを考えれば麻衣に知らせなかった理由が判る。
 下手にこの事を教えたら、絶対に調査に協力したいと言い出すに決まっているのだ。
 案の定
「ってことは、私がいたほうが調査捗るって事だよねぇ〜〜〜」
 と暢気な口調で言い放つ。
「麻衣、人の話を聞いていたのか?」
 ピクリとこめかみが震える。
「聞いていたけど、たとえば気味の悪い歌声に絶えきれずノイローゼになって、ノイローゼが原因で流産しちゃったとか、やっぱり意味の判らない声が聞こえるから、引っ越ししたとか、気味の悪い声に絶えていたけど赤ちゃんがインフルエンザで死んじゃったとか・・・でしょ?
 それってさ、この唄の意味が判らないから気味悪がっていただけだと思うんだけど・・・・」
「判るのか?」
「たぶん・・・ここからだとはっきり聞こえないんだよね。
 中に入っちゃダメ?」
 お伺いするように下から麻衣はナルを見上げる。
 むろん、許可できる事ではない。確実に安全が確保されたわけではないのだ。
 だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 確かに麻衣の助力は願ったり叶ったりである。
 真砂子のように目で見るタイプではないが、感覚で感じるタイプであり、妊婦という貴重な条件もクリアーしている。麻衣ならば確実に視る・・・感じ取ることができることをナルは知っており、また妊婦という立場上聴くことも可能なのだ。
「5分だけ」
 時間制限をしたからといって危険の度合いに変化はないのだが、ナルは端的に告げた。
 下手に追い返したとしても、こっそりと忍び込まれでもしたらたまったものではない。ならば、目の届く範囲で好きにやらせた方が精神衛生上はるかに好ましく、万が一のことが起きた時にもフォローに回れる。
「ありがとう」
 にっこりと笑顔で麻衣は告げるが、ナルは苦虫を噛み潰したかのような表情だ。
 そんな、いつになく表情が変わる『博士』を呆気にとられながら見ていたウェストだが、ふいに博士の視線を感じて間抜けにあけていた口をパカンと閉ざす。
「民間人を巻きこもうとした事実は忘れるな」
 いったい何処の誰が民間人なんだろう?
 思わず麻衣は苦笑を浮かべてしまったが、あくまでも今回は『妊婦』だから協力するのであって『能力者』が協力するのではないことに気が付いた麻衣は、そっとため息をつく。
 研究材料にされかねないから自分の能力を本部には報告しないナルの心遣いを嬉しく思う反面、ナルの仕事の手伝いが出来るならば多少の不自由さは甘受する気ではあるのだが、ナルはそれを是とはしていなかった。
 ナルの血を引くと言うだけで、胎内に宿っている子供も格好の研究材料として狙われているという。もしも、二親が能力者ならばますます、研究者達は生まれてくる子供を『材料』として見なすだろう。その危険性も誇示され、麻衣も強く我が儘を言えなかったのだ。自分はナルの傍に居ることが出来るならば、多少のことなた耐えられるが、子供達にはわざわざ苦痛や不自由さを味合わせたくはなかった。
 ナルの後に続いて家の中に入った麻衣はその場で立ちすくむ。
 何か身の危険を感じているのかと思ったが、そうではないようだ。
 不思議そうに辺りをきょときょとと見渡すと、テクテクと迷うことなく階段を上り二階の一室に足を運ぶ。部屋の広さから言うと子供部屋だろう。今はがらんとした室内は子供部屋を連想させる物は何もないが、南向きの部屋で大きな窓からは柔らかな日差しが燦々と室内に注がれている。
 麻衣はその部屋に入らず、ドアから室内を見つめたまま呟いた。
「ナル・・・・・・・・・・・・・・・子守歌が聞こえる」
「子守歌?」
「うん・・・・・・・・・・・日本語の子守歌・・・・もしかしたら、一番有名?かな」
 だからこの家に入った住人の誰もが唄のようだといいながらも、何の唄か理解できなかったのだろう。
 過去この家に入った住人は生粋のイギリス人であり、日本語など理解できる環境の者達ではなかった。
「寂しげに呟いている・・・・・・・・・・声かけてみる?」
 麻衣はそっと問いかけるが、ナルは軽く首を振る。
「そこまで判れば調べられる」
 下手に話しかけて刺激するのは得策ではない。
 この場には滝川やジョン、リンのように確実に頼りになる霊能力者はいないのだ。万が一の場合はナルが力づくで散らせることになるのだ。
 それは言わずとも麻衣も判ったのだろう。
 気が引かれながらもナルに促されるまま、その場を後にしたのだった。



























 麻衣がもたらせたキーワードを頼りにさらに、過去に遡って調べることによって事のあらましが判明する。
 今から17年ほど前に、この家で日本人の女性が病死しているのだ。
 妊娠中に病に冒され臨月を迎える少し前・・・9ヶ月目での出産。無事に子供は生まれた物のその女性は出産後わずか1週間でこの世を去っている。生まれた我が子に自分の国の子守歌を伝えることも出来ずにだ。
 それが心残りだったのだろうか。
 彼女は浄化することなく家族と住むはずだったこの家に彷徨い続けていた。
 女性の家族はこの家に7年ほど住んで引っ越したものの、特別何かを訴える者は居なかった。たまたま、この家に次に入った物が妊婦であり、女性と感化するものがあったのか、子を思う女性の子守歌を耳にし、子供を求めて家の中を歩く女性の姿をかいま見たためにノイローゼを起こした。
 次に入居した家族もまた小さな生まれたばかりの赤ん坊が居たためにシンクロしていったのだろう。
 子を思う母親がキーワードになったに違いない。
 ただ、子守歌を歌ってあげたい。
 日本の血を引く我が子に、自分の故郷の優しい・・・優しい子守歌を伝えたい。
 それだけの思いに囚われこの家に止まっていたのだ。
 害を加えたいわけでも、何かを訴えたいわけでもなかった。
 ただ、目の前に赤ん坊が居たから・・・これから生まれようとする赤ん坊がいたから、彼女は自分がしたかったことを・・・妊娠中していたことを、繰り替えしていたに過ぎなかった。
 今のチームでは何らかの対策が講じれないため、調査結果を奏上したのちこの件は未解決のまま一端の終わりを迎える。近いうちにリンを日本から一度呼び寄せ、赤ん坊を模した人形を与えることによって家に彷徨う女性を浄化させれば、妊婦や出産を終えた女性を惑わせる現象は起きないだろうとナルは判断を下し、依頼人も納得したようだった。
 事のあらましを聞いた麻衣は無意識のうちに愛しげに腹部を撫でるが、ふと何かに思い当たったのか難しい顔をしてナルを凝視する。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サイコメトリーしたでしょう」
 麻衣が子守歌のことをナルに告げたのは今日の昼間だ。
 いくら、ナルが有能だからと言ってあの時間から動いて過去のことをどれだけ掴めるだろうか? そもそも、手っ取り早く過去を調べる方法がありながら、七面倒なことをするとは思えない。
 ナルは涼しい顔で麻衣の質問を無視しているが、少し青ざめた顔を見ればナルがどんな手段で、女性の事を調べたかなどように察することが出来る。
「人には危険がどうのこうのとか安全がどうのこうのとか言うけど、ナルの方こそ無頓着すぎない?
 リンさんも安原さんやぼーさん達がいないのに、なんでそう無鉄砲なことをするかなー」
 ここにはまだ信用に足りる仲間がいるわけじゃない。また一から絆を作っていかなければいけないのだ。
 まして、『オリヴァー・ディビス博士』に妄信的に成っている彼らの中から、日本にいる仲間達のように信頼に値する人材がどれだけいるか、見つかっていないうちにこうやってサイコメトリーを使うような事態がいつ起きるか、麻衣は心配でたまらない。
 だが、いくら心配をし心を痛めようとも、この男は必要とあらば躊躇せず己の能力を使うだろう。
「この年で未亡人はパスだからね」
 読書にいそしむ夫の肩に頭を寄せながらむっつりと呟く。
「考えて使っているつもりだが?」
「そーれーでーも!
 使わないにこしたことはないでしょ! ああ、こんなに青い顔しちゃって!」
「文句は過去の事を満足に調べることも出来ないぼんくらな調査員に言ってくれ」
 イギリスに来てまだ一ヶ月しか経たないが、いかに日本の仲間達が恵まれていたかを感じるには早すぎることはなかった。
 しんそこうんざりした様子のナルに麻衣は思わず苦笑を漏らす。
 まどかから聞いた話では、ウェストという青年はフィールドチームから外されることになるらしい。それは当然だろう。安全の確立が施されていない場所に、むやみやたらと人を入れようとしたのだから。それも、最も被害に遭う条件の高い人間をだ。調査員にあるまじき対応である。
 ウェスト曰くナルに言いように言われたことに腹がたち、何とか見返したかったために行きがかりの妊婦の反応を伺おうとしたとかしなかったとか・・・・ああいう人間が、研究のためなら人を人と思わないのだろうか?
 ナルがそんなタイプでなくて良かったと心底思う。
 最も、ナルがそんな人間なら自分はきっとここには居なかっただろう・・・・・・・・・・・・・・
「唄を聞いたって言っていたな」
「うん。久しぶりに聞いたよー
 なんか、懐かしくなちゃった」
 クフクフと嬉しそうに笑みを漏らす麻衣に視線をついと動かした後、ナルはその視線を丸みを帯びた腹部に向ける。
 麻衣はどんな子守歌をその腹の子に紡いでやるのだろうか?
「どんな歌だ?」
「んー? すっごく短くて静かな唄だよ。
 

 ねんねんころりよ おころりよ
 ぼうやは よい子だな ねんねしな
 ねんねのお守りは どこへ行った
 あの山こえて 里へ行った
 里のみやげに 何もろた
 でんでんだいこに しょうの笛」


 それは、子守歌らしく静かな唄だった。少々陰気さえ感じさせる。
 ナルは子守歌がどんな物か知らないが、そんなものなのだろうか?
「子守歌ってけっこういっぱいあるんだよね。
 この歌って日本人なら気が付いたら覚えている歌だと思うんだけど、けっこう即興で作ったりするおかーさんも居たりするみたいだから、人によって思いでの子守歌なんて違うと思うんだけどさ。
 なーんか、久しぶりに聞いたって感じだな」
「日本がもう恋しいのか?」
「そういうんじゃないよ。
 日本語が久しぶりだなーっていうかんじも確かにあるけど、おかーさんの子守歌を久しぶりに聴いたって感じなの。
 日本語の子守歌は私が歌うから、ナルは英語の子守歌よろしくね」
「僕は・・・・・・・・・・子守歌は知らない」
 自分が唄を口ずさむと言うことも想像できなかったが、それ以前にナルは子守歌を知らない。
「僕の・・・僕達の母親が口ずさんでいるのを聞いた記憶ないから、おそらく歌われたことはない。
 状況を考えれば、歌っていたとも思えないが」
 事実を淡々と語るナルに麻衣は思わず言葉をなくす。
 ニグレストで育児放棄をしていたナルの母親が子供のために、優しい眠りの唄を歌っていたとは考えられないことだった。
「ご・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・・・」
 当たり前のように言ってしまって自分が無神経に感じ麻衣は沈んだ声でそれだけを絞り出すように呟く。が、ナルは至って気にした様子はなく、項垂れる麻衣の肩に腕を回すと軽く引き寄せる。
「元々興味もないから聞いていたとしても覚えているとは思えない。
 イギリスの子守歌が知りたいなら、ルエラかマーティンに聞けば教えてくれうだろう」
 ナルの実の両親はいないが、心優しい養父母はいる。
 きっと、彼らがイギリスの心優しい眠りの唄を教えてくれるに違いない。
「一緒に覚えて、この子達に教えてあげようね」
 まだまだ生まれてくるのは先の子供にそっと語りかけるよう優しく撫でた後、麻衣はナルを見上げるが、ナルは軽く肩をすくめただけ。
 是とも否とも言わない。
 だが、きっと口ずさむことはなくとも彼の記憶にも刻まれるはず。







 優しい・・・優しい子守歌が。
 















☆☆☆ 天華の戯言 ☆☆☆
今回のお題はGHで攻めてみましたー。
はい、麻衣チンとナル坊は夫婦になってイギリスに住んでおります(笑)
未来予想図より少し前のお話ーイギリスに来て一ヶ月あまりの事です。
お題という読み切り短編でありながら、無謀にもプチ調査物・・・・・・・・・調査物?に手を出してしまったせいで・・・・はい、長いです。むやみやたらと長い・・・・一話でここまで長くしたの久しぶりでした(笑)
って、短編のコピー本が一冊ぐらい出来る長さがあります(笑)・・・・といってもA520ページぐらいのペライ本になっちゃいますが(^^ゞ いや、それでもWEBの短編とするには長いよね・・・・・重くてゴメンナサイでしたー(汗)
なーんか、WEB久しぶりの書き下ろしの気がするのは気のせいだろうか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
うふv短編なのでものすごく端折ったり細かく書き込んではいませんが、まぁあっさりさっくりと読み流して頂ければ本望!
なにかしらのつっこみ所があってもさらーりと電子の世界に流して下さい(笑)
微妙に突っ込まれると天華泣きますから(大笑)


そして、いつもの如く誤字脱字は気にしちゃいけませんことよ?(笑)


では、再見!


    次がいつかは禁句です(笑)






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