ずっと言いたいことがありました。
大切なあの人とよく似た面差しを持つあの人に。
言わなければいけない言葉がありました。
夢の中で逢わなくなって、数カ月が経とうとしているけれど、
次にあったとき言わなければいけない言葉が。
傷つけるかもしれない言葉。
言わなければいいのかもしれない言葉。
だけれど、言わなければいけないの。
優しく背中を押してくれた大切な人に。















第九話











 綾子とジョンは二人が帰ってきたのを見て仰天する。それは当然だろう、ナルの腕に抱きかかえられて戻ってきた麻衣は、顔面蒼白で見て判るほど激しく震えているのだ。部屋に戻ってもナルから離れようとせず、抱きついたまま硬直してしまったような感じだ。ナルもそんな麻衣を無理矢理引き離そうとはせず、綾子に何か落ち着く物を貰ってきて欲しいと頼む。
 綾子は女将に頼んでホットミルクを作ってもらうと、麻衣に呑ませる。
 手渡そうとしたが、その腕が激しく震えていることに気が付いた綾子は、自分の手を添え支えながら飲ませる。そうでなければあらかたホットミルクは零れていただろう。それほどまでに麻衣の身体は激しく震えていたのだ。
 明らかに尋常ではない様子の麻衣をそのままに、ナルはジョンに真砂子と連絡を取って、都合が付く限り早くこちらに来て欲しいと頼む。
 ジョンが電話をかけに部屋を出て、しばらくすると麻衣の身体から力が抜けていく。それと同時に、ゆっくりと穏やかな呼吸が戻る。チラリと視線を向けるとナルにしがみついたまま眠ってしまったようだ。
「ブランデーを牛乳で割った物にして貰ったわ。
 普通ならこんなに簡単に眠らないかもしれないけれど、ひどく興奮していたから効果覿面ね」
 マグカップをテーブルの上に置いた綾子は、肩をすくめながら眠りについた麻衣を見て苦笑を漏らす。ホットミルクとは名ばかりの半分は度数の強いアルコール。普段でもけっこう酔いが回るだろう飲み物を、怯え興奮している状態で飲ませたのなら瞬く間にアルコールが回るだろう。今は、落ち着かせるためにも眠らせた方がいい。そう思って飲ませてみたのだが・・・予想以上にあっけなく眠りについた。
 それでも、しっかりとナルにしがみついている辺りよほど離れるのがイヤなのか、もしくは、あまりにも力一杯に抱きついていたため、硬直しているのかどちらかだろう。
 例え意識を失うように眠りについていようとも、又ナルも麻衣を手放そうとしない辺り、麻衣の今の不安定さを心配しているからか、ただたんに引き剥がすのは面倒くさいからか。綾子には判らないが、そのことにはとりあえず触れないでおく。
「何を見たの?」
「さぁ、麻衣は何も言えるような状態ではなかったので、判りかねます」
 だが、「何か」を見たことは明らかだろう。でなければ、ここまでひどく怯えるはずはない。
「男が一人いたな」
「男?」
「森の中の切り開かれた曼珠沙華の原に男が一人跪いていた。麻衣はそれを見てひどく怯えている感じだった」
「曼珠沙華の原って……まだ、時期早いわよ」
 別名彼岸花とも言われる曼珠沙華の花。その名の通りお彼岸の時期に咲く華だ。だが、今はまだ八月である。お彼岸まで一月以上はあるというのに、もう咲き乱れているというのだ。
「あの、森って変な感じがするのよね」
 溜息をつくと綾子は髪を掻き上げながら、呟く。
「あれだけの森なら生きている樹があっても不思議じゃないのに、神聖を持つ樹が全くていっていいほどないのよ。信仰の対象になっているのによ?そればかりか、なんだか禍々しい気配に覆われていて、森の木々達は怯えている感じなのよね」
「信仰の対象?」
 綾子は佐々木老人から聞いた話をナルにも聞かせる。
 『森の神』と言われるぐらいだ。土俗民承としてかつては信仰の対象となってはいるだろう。八百万の神と言われるぐらいであるから、日本は自然物拝の歴史が遥か昔からあるのだ。それは充分にありえる話で、何ら変な話ではないのだが、綾子が不思議に思ったことは信仰の対象になっていれば、森に神聖が宿りそれに従って精霊が宿る樹が多くあるのが普通だというのだ。
「だけど、この森には全く神聖さが残ってないのよ。例え幾らこの村で殺人事件が起きたとしても、綺麗さっぱりと神聖さを無くせる分けないわ。たかだか、30年やそこらで何百年も生きてきた精霊達を消せるわけないもの。
 まして、畏怖と畏敬の念が残っているならなおさらだわ。それと安原君からのメールが届いていたわよ。30年前の自殺した犯人の顔写真を手に入れたからって、メールで送ってきてくれたわ」
 綾子はノート型パソコンを持ってくるとモニターをナルに向ける。
 そこには、やせ細った一人の男が写っていた。














 ―― 麻衣
 








 懐かしい声が名前を呼ぶ。

 もの凄く久しぶりに聞く声だ。春休みの調査依頼久しぶりに聞く声だ。あの吹雪に閉ざされた世界で、ジーンは最後に麻衣に道を示して、それ以後、調査の時にも夢に現れることがなくなってしまった。
 漸く逢えた。
 喜んではいけないことだとは判っている。もちろん、以前のように心が高鳴ることはもうないけれど、それでも久しぶりに逢えることを喜んでしまう自分がいる。それと同時に、逢えなければいいのに…そうも思ってしまう。
 次にあったら、言わなければいけない言葉があるのだ。
 おそらく…イヤ、絶対彼を傷つけてしまう言葉。
 判っているのに、言わなければならない。
 あの時背中を押してくれた彼に、一歩足を踏み出す、前を見ることを教えてくれた彼に、伝えなければならない事実を。
 麻衣は暗闇の中目を凝らすように辺りを見渡すが、目に映るものはくらい闇ばかりで何も見えない。
「ジーン?」
 恐る恐るその名を口にする。
「―――久しぶりだね、麻衣」
 闇がざわざわと蠢き、人影を作る。
 ぼやけた闇が徐々にハッキリと形作り、やがて見慣れた姿を…それよりも若干若い姿を形作る。
 ひどく久しぶりに見る姿だ。
 ナルと想いが通じ合って、初めて逢う。
「ジーン……」
 麻衣はジーンを見上げる。泣き出したいような、嬉しいような、複雑な表情で。
「あのね、ジーン……」
 麻衣は迷うように口を開く。次にジーンにあったとき、言わなければいけないと思っていた言葉があった。それを口にするのには、ひどく勇気が必要だった。だが、言わなければならない言葉だった。
「私…私……ジーン?」
 ジーンは柔らかな微笑を浮かべながら、スッと指を伸ばして麻衣の唇に触れる。まるでそれ以上言う必要はないよと言うかのように。
「言わなくていいよ。麻衣」
 判っているから。視線はそう語っていた。
 麻衣は柔らかな微笑みを浮かべるジーンを見ていられず、俯いてしまう。
 ひどいことを想っていた自分なのに。
 勘違いして、彼の存在を傷つけることを想っていた自分なのに。それなのに、彼は変わらない微笑を浮かべて自分を見下ろしている。
「麻衣、いいんだよ。それは僕も望んだことなんだから。
 麻衣とナルが幸せなら、それでいいんだ。麻衣、死んだ人間のことを哀れんじゃいけないよ?」
 その言葉に麻衣は顔を上げる。
 哀れんでいるわけではないのだ。そう言いたくて。
「判っている。麻衣、君はすごく優しい子だ。哀れんでいるわけじゃないことは判るよ。君の優しさが、悲しみを受け止めているだけだと言うことも。
 皆がキミに救いを求めたがってしまうほどに」
 そんなことはない。
 みんなが思うほど、自分はそんな綺麗な存在ではない。
 麻衣は頭をフルフルと振って、ジーンの言葉を否定しようとする。そんな麻衣を見下ろしてジーンは苦笑を漏らす。
「麻衣、僕はね。ナルが素直にキミを欲してくれてすごく嬉しいんだ。
 女の子のキミから言わせるなんて、我ながら情けない弟だと思うけれど、きっと麻衣から動かなかったらナルは自分の思いを表に出さなかったと思う…だから、僕は麻衣にお礼を言いたかったんだ。
 ――側に、居てくれてありがとうって」
 麻衣はジーンの思いにもよらない言葉に、戸惑いを隠せない。
 礼を言われることは何もしていない。ナルの側にいるのは、いたいと自分が望んだから。ナルのことが誰よりも好きだから側にいるのだ。
 ジーンは穏やかな慈愛に満ちた微笑を浮かべて、麻衣を見下ろしている。優しい優しい穏やかな気配。大切なあの人と似ても似つかない気配。今では不思議に思ってしまう。幾ら双子だというコトを知らなかったとはいえ、同一人物だと思っていたことを。
 麻衣はふと目をそらす。真っ直ぐに自分を見下ろすジーンを見ていられなくて。穏やかな闇色の双眸を見ていられなくて。
 また、自分は重ねてみている。
 ジーンに、ナルを見いだそうとしている。
 それは、二人を傷つけることなのに。ジーンの存在を傷つけてしまうことなのに…それでも、彼にナルを見いだそうとしてしまう。
 キリッと唇を噛みしめて俯いてしまっている麻衣に、ジーンは苦笑を浮かべる。そこまで自分を追いつめなくてもいいのにと思いながら。麻衣の心は自然の動きなのだ。好きな男がいて、その男にそっくりな人間がいれば、その人間に見いだそうとするのは当然のことなのだから。
「僕たちはずっと二人できた。互いが無意識のうちに互いを補う関係だった。だけど、僕はナルを一人にしてしまった。
 ナルの性格から考えて、ナルを補って助けてくれるよな人が現れることは、あり得ないと思っていたよ。だから、ナルはずっと一人になってしまう、一人で生きていかなければいけないようにしてしまったんだ。それも、僕のせいで。
 だけど、キミが現れた。あのナルが自ら望んだ他人だ。
 だから、僕はすごく嬉しいんだ。そんな二人が出会えるようにできて」
 麻衣は信じられない思いでジーンを見上げる。自分の死を喜んでいるというのだ。己の死を通して麻衣と弟を引き合わせることができて。
「だから麻衣、僕に済まないと思う必要はないんだよ?麻衣を苦しめるようなことをしたのは僕。迷わせるようなことをしたのは僕なんだ。だけど、キミはちゃんと自分の心を見極めて、ナルの側にいてくれる。本当の自分の思いでナルの側にいてくれる。
 それに、元々僕の死に関して麻衣は何も悪くないんだから、気にする必要は麻衣にはないんだ」
 涙が溢れてくる。
 優しい、優しい、ジーンの心に触れて。
 止めることのできない涙が、溢れてくる。
 ジーンは静かに涙を流す麻衣を困ったような笑顔で見下ろしていたが、やがて表情を引き締める。
「麻衣、怯えちゃ駄目だよ?」
 唐突な言葉に顔を上げて、ジーンが言いたいことを読みとろうとするかのように、その闇色の双眸を見上げる。
「麻衣は確かに今力が不安定になっている。だけど、そう言うことはきっとこれからも何度もあるよ。だけど、それに怯えちゃ駄目なんだ。
 だから、力に怯えて読みとりを間違えないで。
 怯えずに見るんだ。そうすると、答えはすぐに見つかるよ」
 あの時と同じ言葉をジーンは口にする。
 麻衣がジーンを好きなのか、ナルを好きなのか迷っていた当時と同じ言葉を。
 ジーンを好きだと自分に思いこませ、自分の心に自ら『ジーンだけが好き。ナルにジーンを重ねてみているに過ぎない』という目隠しを覆い、真実から目をそらせていたときと同じ言葉を、ジーンは紡ぐ。
「大丈夫、麻衣はちゃんと真っ直ぐ前を見れる子だもん、今回も大丈夫だよ」
 ニッコリと柔らかな笑顔を浮かべて、麻衣を励ますように彼はことさら明るい声を出す。
「麻衣、本当はもうキミは判っているんだ。
 だけど、怯えている心が目を曇らせている。そらしちゃ駄目だよ。
 ちゃんとまっすぐ見ないと――――危険だ」
 ジーンの姿が揺らぎ出す。
「――ヤツが、麻衣に…気が付いた。早く、真実を見るんだ…ま、い。
 でないと―――危険。
 次は、麻衣が―――狙われる」
 唐突にジーンの姿が薄くなっていく。
「ジーン!?」
 麻衣はジーンにすがるように腕を伸ばすが、腕はジーンの身体を通り抜けてしまう。
「三つの、想いと過去から続いてきた因習が―――錯綜している。
 解きほぐし、て…みきわ――――――――――――――――」
「ジーン!?」
 唐突にジーンの姿は闇の中に溶け込んで消えてしまう。
 最後になぞの言葉を残して。
「三つの…想い? 過去の因習……?」
 一つはあの森にいた血塗れの男?
 思い出すだけでぞっとし、記憶の片隅に追いやりたくなるが、麻衣は勇気を振り絞って踏みとどまる。
 もう一人はあの場に場跪いていた男のことだろうか。では、残りもう一人は…誰?
 麻衣は首を傾げるが思い当たらない。二つではないか?とも思ったがジーンは確かに三つと言った。
 あの血塗れの男に関わる人物が、もう一人いるのだろうか?
 それに、過去の因習って…言いたい何があるというのだろうか。
















「ジーン……」
 腕の中の麻衣が微かに身じろいて、ジーンの名を口にした。彼女の口から久しぶりに聞いた名に、ナルは無意識のうちに眉をひそめ麻衣を見下ろす。麻衣の唇は何かを呟くように微かに動いていたが、やがて瞼が痙攣し目覚めが近いことを教える。
「麻衣?」
 ナルが囁くように名を呼ぶと、ゆっくりと瞼が開く。
 どこかぼやけた鳶色の双眸が、自分の顔を見上げている。
 寝ぼけて麻衣が自分をジーンと間違えたとき、どういう行動に出てしまうのだろうか?ナルは瞬間的にそんなことを考えてしまう。腕の中の少女を自分の物にして早、三ヶ月が過ぎようとしていた。その間に思いの外この少女に執着している自分を知る。
 それは世間一般的に言われている『独占欲』と簡単に表現できる物でありながら、自分が少女にたいして抱く『欲』は、やっかい極まりないほど強いことを既にナルは熟知していた。
「ナル…」
 だが、麻衣は名を間違えることなく呼ぶ。
 考える必要もないことだと言うことは判っているが。麻衣がジーンの存在を知ってから、二人を間違って呼ぶことはいままで一度もなかったのだから。懸念する方が馬鹿馬鹿しいことぐらい、判ってはいた。
 だがそのことに微かに安堵感を覚えたのはまぎれもない事実であり、肩から自然と力が抜けていく。もちろん麻衣に気付かせるようなドジは踏まないが。
「三つの想いが錯綜しているって―――それに、過去の因習がどうのこうのって言っていた」
 麻衣は身体をゆっくり起こすと、ナルに向かって告げた。最後の名だけは若干戸惑いがちに、それでもハッキリと口にする。
「ジーンが気を付けろって、次は私が狙われるって言っていたの」
「誰にだ?」
 麻衣は首を傾げるが、何と言えばいいのか判らないのだ。あの森の中の血塗れの男にか、それとも跪いていた男にか、もしくは、存在の判らないもう一つの想いをもつものにか、それとも全く関係のない三人にか。
 が、ふいに麻衣はテーブルの上に置かれているノート型パソコンのモニターに視線を向け、そのまま身をすくめてしまう。
「ナル――その、人」
 食い入るように画面を見る麻衣に、ナルはチラリと視線を向けると「三十年前の自殺した犯人だ」と答えた。
「この人が、森にいたの。
 血塗れの姿で、跪いていた人に何か言って―――――」
 良く聞き取れなかったが、何かを言っていた。そして、もう本当なら姿なんて見えないはずなのに、生い茂る木々に邪魔されて見えないはずなのに、この男は真っ直ぐに自分を見た。
「最後にあの男は、私を見て言ったの。【見つけた】って」
 麻衣を見つけてどうしようというのだろうか。そもそも、その狙いが判らない。
 だが、予想は付けることはできる。
 この男が過去に犯したこと、そして、現在起きている事件は重なり合う。

「次は、麻衣を狙うと言うことか」

 何を基準にして言っているのか判らないが、どうやら渦中にずっぽりと巻き込まれているらしい。
 相も変わらずのトラブルメーカーにナルは溜息をもらすと、「ジーンはそれ以外にも何か言ってなかったのか?」と問いかけた。いったい何に気を付ければいいのか、三つの想いとは何か、それに、過去の因習がどう関係してくるのか、全く判らない。
「私は、もう答えは判っているって。
 ただ、怖がってみることができないでいるって言っていた。
 でも、判らないよ。本当に…判らないの。
 何であんな夢を見るのか、何であの人達を見るのか、すごく気になるのか、判らないの」
 強くなっていっている力に戸惑いが隠せないのだろう。
 ナルはポンポンッと背中を落ち着かせてなだめる。
 麻衣が答えを知っているなら、早く答えを導き出す方が安全なのだが、今の麻衣にはそれは無理だと言うことが一目瞭然だ。まだ、己の中の力に恐れを隠せないでいるのだから。
「役に立たなくて…ごめんね」
 なだめられて少しは落ち着いたのだろう、ポツリと漏らす。
「いつものことだ。今更期待はしていない」
 ナルの言葉に麻衣はぷぅ〜とふてくされたかのように頬を膨らませるが、小さな声で「ごめん」と再度俯いたまま呟く。麻衣らしくない反応にナルはコツンと額を軽く叩く。
「ナル?」
 顔をあげてナルを見ると、いつもと変わらない無表情の顔が真っ直ぐ自分を見下ろしていた。静かな、凪いだ水面のように落ち着いている闇色の双眸が、真っ直ぐに自分を見下ろしている。
「とりあえず、原さんが今夜には来てくれる。明日、彼女にも森を見て貰う。それからだ」
 深く低い声が、いつもと変わらない抑揚の欠けた声で、淡々と語る。不思議と焦燥に駆られていたはずの心が、落ち着きを取り戻す。
「とりあえず、自分ができることをする」
「そうしてくれ」
 麻衣はナルから離れると立ち上がって、お茶淹れてくるねと言い残すと軽快な足取りで部屋を出ていった。
「お見事」
 ニヤニヤと綾子が笑いながら、ぱんぱんと手を叩いてナルを囃す。
 目が覚めてから麻衣はナルしか視野に入っていなかったようだが、綾子とジョンも実は同じ部屋にいたのだ。ジョンなど居心地悪そうに、隅っこで身体を小さく縮こめて、落ち着き無さげに座っていた。綾子は呆気にとられて二人を見ていたのだが。
 ナルは二人のことなど意に介していないかのように、いつもと何ら変わることがない。
 綾子としてはもっと突っついてからかってみたい気もするが、今はそれどころではないため、今後のことを話し出す。内心では後何回我慢しなければいけないのかしらね?と呟いていたが。今回の件が無事に片付いたら、思いっきり二人をからかってやろうか…そんなことを考えながら、綾子は意識を切り替えたのだった。






















☆ ☆☆ 作者の戯言 ☆☆☆
……………何でジーンが出てくるの?どうして?なんで?? o(T△T=T△T)o
誰か教えて下さい(T^T)幾ら私が話を忘れたとはいえ、これだけは覚えています。「ジーンは出てくる予定は全くなかった」まして、あんな話し……何であんな話がこんな所で出てくるのでしょう……一度たりとも考えたことのない展開……ああっ、これはいったいどんな話に変わってゆくのだろうか???って言うか書いているのは誰?(チーン)

















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